
重度の心不全を治療する再生医療が実用化されて半年。
開発を手掛けたテルモの再生医療担当者、鮫島さんと意見交換をさせていただきました。
テルモの「ハートシート」は、従来の医療技術では心臓移植か人工心臓しか選択肢のなかった患者さんを救うことができます。
患者さんの細胞を採取し、培養してつくった細胞シートを心臓に貼り付けるだけなので、開胸手術も不要なのだそうです。
しかも、心臓移植や人工心臓よりも安価な治療法とのことで、患者さんにとってとても魅力的な選択肢になるのではないかと感じました。
再生医療はまだ黎明期で、企業がこの分野に参入するには大きなリスクを伴います。
それでもテルモが「ハートシート」を開発したのは、人工心臓を製造する医療機器メーカーとしての使命感によるところが大きかった、と鮫島さんは説明してくれました。
鮫島さんとの意見交換は久しぶりで、私が経済産業省で再生医療を推進していた頃以来の再会です。
長い歳月をかけて、一つの夢を実現した鮫島さん。
お話をしながら、その視線の先にはもっともっと大きな夢が見えているのを感じました。