自民党の災害対策特別委員会で、西日本豪雨における災害救助についてケーススタディを実施しました。
多くの場合、避難所運営にあたる自治体職員は支援者であると同時に被災者でもあります。
このため、極度の心身疲労から倒れるスタッフも少なくないといいます。
そこで、政府では省庁から被災地に応援職員を派遣することとしています。
西日本豪雨の際にも、1万5千名を超える応援職員が派遣されました。
しかし、実際には応援側、受援側ともに不慣れな中での派遣となり、当初は応援職員をうまく活用できない事例も見られました。
今後は派遣候補者を事前に選定し、研修等によって応援スキルを磨いておくことや、政府と自治体との情報伝達・連携訓練などを実施し、システムの円滑な運用に備えておくことが重要になります。
また、発災時の救助内容については災害救助法に基づく告示(通称「一般基準」)に定められていますが、災害が激甚化し、また災害救助に関する知見が向上する一方で、この「一般基準」は時代に適した改正が行われず、発災都度「一般基準」を超える「特別基準」を策定しているのが現状です。
東日本大震災や熊本地震に策定した「特別基準」の主なものだけ見ても、
・入浴施設の設置
・エアコンの設置
・施設のバリアフリー化
など、ごく当たり前のものばかり。
むしろ「一般基準」に入れておき、迅速な対応を可能にすべきです。
西日本豪雨の際も、東日本大震災や熊本地震などの先例が生きず、事後的に「特別基準」を検討・策定せざるを得ませんでした。
最低限でも、災害関連死を防ぐ上で重要な役割を担うTKB(清潔なトイレ・温かい食事を作れるキッチン・雑魚寝ではなくベッド)について一般基準化すべきです。
こういった課題認識のもと、災害対策をアップデートしていかなければなりません。