10数年前、相次ぐテロやイラク戦争など不安定な中東情勢の中で、我が国のエネルギー調達先の地域的偏在に危機感を抱いていた私は、供給源の多角化によるエネルギー安全保障が重要であると感じ、資源国とのFTAを契機としてそれを実現しようと考えました。
しかし、当時のエネルギー安全保障政策の主な柱は「備蓄」と「新エネ・省エネの推進」であり、「供給源多角化」の政策的プライオリティは高くありませんでした。
このため、いくら説明しても資源エネルギー庁は私の提案には後ろ向き。
国際情勢、我が国にとってのメリット等々、何度説得を試みたか知れません。
しまいには、あまりに無理解な資源エネルギー庁をよそに、FTA交渉開始を目前に控えていたインドネシア政府と裏で握って「先方からの逆提案」という荒業を使うことで議論のテーブルに載せました。
こうして辛くも動き始めたプロジェクトでしたが、丁寧な対外説明が功を奏して報道で取り上げられ、それを契機に政府内外を問わず広い賛同を得られるようになりました。
そしてついに、翌年に策定された「エネルギー戦略大綱」において、「エネルギー供給源の多角化」を重要な柱として位置付けることができ、現在に至るまでこの方針は引き継がれています。
我が国のエネルギー安全保障政策を在るべき姿に正す、正義の勝利だったと思います。
※この他にも、私の主な実績をhttp://tinyurl.com/y66edllxでご紹介していますので、よろしければご覧ください。
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