ポストコロナの社会改革を提言




私が発起人代表を務める『コロナを機に社会改革PT』では、サプライチェーン安全保障、行政のDX、脱・東京一極集中、内定取消・入社延期への対策を柱とする改革提言を取りまとめ、自民党の岸田政調会長への申入れをおこないました。

提言の全文は以下の通りです。



『コロナを機に社会改⾰PT』

第2次提⾔

令和 2 年 6 ⽉

「コロナショック」は国民生活に深い爪痕を残した。しかし同時に、国民一人ひとりが社会の在り方について見つめ直す機会になったことも事実である。この経験を無駄にすることなく、必要な改革を前に進めていくことができれば、コロナを機に大きな社会改⾰を実現できるはずである、との思いで3月19日に『コロナを機に社会改革PT』を発足させた。

本PTでは、4月の国会改革に関する第1次提言以降、サプライチェーンや行政の在り方等についてヒアリングを行い、検討を重ねた上で下記の提言を取りまとめた。これらはいずれも極めて重要なテーマではあるが、平時には大きな推進力を得にくい改革課題でもある。コロナを機に社会改革が求められる今こそ政治のリーダーシップで改革を進めるべきである。

1. サプライチェーン安全保障の強化

「コロナショック」では多くの物資が不足する中、特定国への過度な供給依存の問題も浮き彫りになった。

これを受け、政府においては令和2年度第1次補正予算において国内やASEANへの生産拠点の移転を誘導し始めている。

しかし、あらゆる事態を想定し、サプライチェーンを真に強靭化する観点からは、生活必需品や戦略物資については国内で十分な生産能力と備蓄を確保することを基本としつつ、国内の生産拠点については局地的な災害等も想定して地域的偏在を防ぐ方向に、また特定国から他の国への生産拠点の移転に際してはカントリーリスクを考慮した上でグローバルにバランスのとれた配置とする方向に政策的誘導を行うべきである。

また、非常事態においても海外メーカーとの取引を継続するには資本関係や共同研究などを通じた重層的な関係構築も欠かすことができない。このため、政府はジェトロ等において現在行っている海外情報の提供や展示会出展支援などの施策に加え、より踏み込んだコーディネート機能を果たしていく必要がある。

2. 行政のデジタルトランスフォーメーション

各種助成金等の申請が殺到し、受付まで数か月を要するなど、行政手続きの電子化の遅れによる様々な問題が生じている。

昨年施行した『デジタル手続法』により、国の行政手続きの多くはオンライン化されつつあるが、地方自治体の手続きのオンライン化については「努力義務」とされ、実効性が十分とは言えない。

また、複数の自治体をまたぐ手続きをデジタルにワンストップ化するには自治体間のシステムの互換性が求められるが、標準化はほとんどなされていない。

加えて、助成金等の申請書を自ら作成できずに諦める方や、自らが助成金等の対象であることを知らずに支援を受けられずにいる方も多く見られることから、「申請に基づく給付」の限界を指摘する声もある。

このため、地方自治体を巻き込んだ行政のデジタルトランスフォーメーションを(事務の国への集約も含めて)徹底的に進め、国民生活の利便性向上、社会全体の生産性向上、人口減少社会における労働力の有効活用を実現すべきである。

3. 脱・東京一極集中の推進

新型コロナウイルスの感染は全国に広がったが、特に東京は感染者数において群を抜いており、一極集中構造が感染拡大を助長して多くの社会機能を停止させるリスクが露呈した。

海外においては、イギリスでは政府の執行機関の一部を12地域に移転、南アフリカは立法・行政・司法を分散配置するなど、多くの国で一極集中を避けるための取組が行われている。

我が国においても、自然災害が年々激甚化する中、また新たなパンデミック発生等の有事に備える観点からも、首都機能を(高等教育、経済も含めて)移転・分散するなど、東京一極集中の転換に向けた取組を早急に講ずるべきである。なおその際、政府の国会等移転審議会が移転費用の試算を行ってから既に20年以上が経過していることから、改めてIT技術の進展等社会情勢の変化を踏まえた試算と検討を行う必要がある。

4. 入社予定者の保護

海外往来の急減や緊急事態宣言に伴う自粛要請により、企業の事業環境が悪化したことが引き金となり、内定取消や入社延期などの社会問題が発生したが、危機のたびに社会的弱者から先に切られていく社会は誰も望んでいない。

内定取消は解雇に当たるため、合理的理由や公正な手続きなど厳しい要件が課されている。

また、内定取消や入社延期を行う場合、当該事業者はハローワークに通知することが職業安定法施行規則に規定されている。

しかし、これらの厳しい要件や手続きが十分に周知されておらず、意図せず法令違反を犯している事業者も存在する。

加えて、ハローワークへの通知を怠った場合の罰則が存在しないため、事業者への抑止力も十分に働いていない。

このため、内定取消や入社延期を検討する事業者が守るべきルールに関する周知徹底を図るとともに、職業安定法において、ハローワークへの通知を行わなかった事業者に対する罰則を規定すべきである。

以上

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