認知症議員連盟を開催しました。
今回は、認知症フレンドリーな街づくりで知られる福岡県大牟田市役所にご参加いただき、市の取組を聞かせていただきました。
概要をご紹介します。
大牟田市の認知症ケアの基本理念は以下の通り。
認知症の人が、ひとりの個人として尊重され、その人らしく地域で暮らせるよう、
①ノーマライゼーションの視点
②人権の尊重、個人の尊厳
③人生の継続性、QOLの向上
をキーワードに、地域で支える仕組みづくりを図っていく
市内の小中学校では毎年、「認知症とは?」「認知症の人の気持ちって?」「私たちにできることは?」などをテーマに認知症に関する授業を行い、認知症の人への思いやりの心を育てている。そういったこともあってか、道に迷った認知症の人を小中学生が保護してくれることが度々ある。
大牟田市では認知症の人の就労や社会参加に積極的に取り組んでおり、実際に働き出した人からは、「職場からの帰りに妻が好きなパンを買って帰ったんだよ」「ちょっとだけど、孫にお小遣いをあげたよ」などの嬉しい声も寄せられている。
認知症の診断を受けた直後の当事者や家族から、「当事者の話を聞きたい」という要望があり、当事者どうしが語り合える場として、ファミリーレストランで定期的な集まりを行っている。
単身高齢者は家を借りようとした時になかなか貸し手が見つからずに苦労するケースが多いため、大牟田市では身元引受会社を設立することにより、認知症の方も含めた高齢者の賃貸契約をサポートしている。
高齢者の一人暮らしについては本人が希望しても家族が同意せず「何かあったらいけないから施設に預けたい」と主張するケースも多いのが現状。そんな中、大牟田市では、近隣住民の方が「私たちが見守ってあげるから」などと家族を説得し、本人の希望を叶えられたケースもある。
大牟田市のお話をうかがいながら、認知症フレンドリーな社会の実現には行政や産業界、医療、介護、地域コミュニティなど多様な分野の連携が不可欠だということを改めて確認することができました。
お忙しい中ご協力いただいた大牟田市役所の方に、改めて心から感謝申し上げます。
認知症議員連盟では引き続き、法案策定の準備のため、各分野の専門家の方々との意見交換を精力的に行っていきます。
コメント