内定取消・入社延期問題について検討




コロナショックの中、事業環境の悪化を理由に内定を取り消される学生がいたり、会社都合で入社時期を延期されて生活に困っている新卒者がいたりといった問題が起きました。

何かあった時に立場の弱い者から先に切られていくような社会でいいはずがありません。

そこで、『コロナを機に社会改革PT』第5回会合では、この問題についてオンラインで検討しました。

まず、内定によって労働契約は成立しているので、内定取消は解雇に当たります。

企業が経営不振などの理由で整理解雇する際には、

・不況、経営不振などによる会社経営上の十分な必要性に基づいていること

・配置転換、希望退職者の募集など他の手段によって解雇回避のために努力したこと

・整理解雇の対象者を決める基準が客観的、合理的で、その運用も公正であること

・労働組合または労働者に対して、解雇の必要性とその時期、規模、方法について納得を得るために説明を行うこと

といった条件を満たしていなければなりません。

その上で、やむを得ず解雇(内定取消を含む)を行う場合、当該企業はハローワークに対して通知をすることが職業安定法施行規則に規定されています。

そして、ハローワークは、当該企業が

・2年以上連続して解雇を行った

・10名以上解雇した

・合理的理由や公正な手続きに欠ける解雇を行った

場合、その事実を公表することとされています。

しかし、そもそも、企業が内定取消を行うことをハローワークに通知しなかった場合の罰則については規定されていません。

これでは、「逃げ得」と考え、ハローワークへの通知をせずに合理性・公正性に欠ける解雇を行う企業が出てきかねません。

また、入社日の延期を行う場合も、当該事業者はハローワークに対して通知をすることが職業安定法施行規則に規定されています。

しかし、本件についても企業が入社延期を行うことをハローワークに通知しなかった場合の罰則については規定されておらず、抑止力が働いていないのが現状です。

以上を踏まえると、

まず、政府は企業が内定取消や入社延期を検討する際に踏まえるべき事項について周知徹底し、安易な弱者切り捨てを未然防止していく必要があります。

その上で、職業安定法において、ハローワークに通知せずに内定取消や入社延期を行った事業者に対する罰則を設けるべきです。このメッセージ効果は大きいはずです。

これらの点について、今後、PTで提言していきたいと思います。

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